子育てをし始めてよく分かったことを、
投資教育家の仕事になぞらえて紹介してみる。
それは「子育てはリスクが高い」と考えること。
ここでいうリスクは「危ない」ではない。
危ないからやめておけ、とかそういう意味ではない。
ここでいうリスクというのは、運用についてちゃんと学ぶとき使われる
「ブレ幅の大きさ」という意味。ちょっと解説してみたい。
投資におけるリスクというのは、単に危ないという意味ではなく、「不確実性」である。
めちゃめちゃ値上がりした状態もまたリスクがあると考える。
なぜならめちゃめちゃ下がる可能性が必ずあるからだ。
またリスクについては「おいしいとこどり」は難しいというのも学ぶことになる。
「儲かる可能性だけゲットして、損する可能性は排除する」というわけにはいかない。
してみると、子育てもそんな感じがする。
独身時代やDINKS時代についてはいろいろ楽しく暮らしていたけれど
楽しみも、苦しみも、ブレ幅的にはあまり大きいものではなかったと思う。
(特に苦しいほうの下振れが少なくなるように思う)
ところが、子育てでは
「突き抜けて嬉しく感じる」ことと「突き抜けてしんどいと感じる」ことが
必ず同時にやってくる。
かわいいばかりが子育てばかりではないし、毎日ずっと辛いわけでもない。
まさに「ブレ幅」が大きいのだ。
子育てにかかる論説についても「キツイほう」ばかりフォーカスを当てたり
「楽しいほう」ばかりスポットライトを当てたりしてしまうのは、
子育てという実際の一部しか見ていないことになる。
光と影、陰と陽は必ずセットであるわけだ。
「超楽しい!」と「超大変!」のセットがまさに子育てで、
これこそまさにリスクが高い状態だと思う。
また、子育てを投資に例えるもうひとつ重要なポイントは
「トータルではプラスになる」というところか。
本当にへとへとになる時間もたくさんあるけれど、
子どもの笑顔から感じる幸せのポイントはトータルでプラスになると思う。
ただし、これは幸福感や満足度の問題。
経済的には子どもはプラスにならないこともまた事実として考えておく必要がある。